「CeMAT ASIA」で見た物流ソリューションの今

NEWS

2018/11/15BLOG

「CeMAT ASIA」で見た物流ソリューションの今

2018年11月6日(火)~7日(水)、中国上海の上海新国際博覧センターで開催された「CeMAT ASIA-アジア国際マテリアルハンドリング・イントラロジスティクス見本市-(http://www.cemat-asia.com/EN/)」を視察してきました。


CeMAT ASIA にて

今回の視察で最も印象深かったのは、多くの中国企業がKivaタイプのロボットを展示していることです。ちなみに私が初めてKivaロボットを目にしたのは、2010年。生活雑貨を提供するCrate and Barrel社のサンフランシスコにあるECセンターでした。あれから8年経ちましたが、当時このタイプのロボットがここまで注目されるものになるとは全く想像もしていませんでした。

今回展示されていた最新型のロボットの数々は、工業デザインに優れ、また、加減速も滑らかで、一見すると即戦力としてすぐに使える可能性が非常に高いという印象を受けました。

しかしながら、私たちのような物流ロボットの企画・インテグレーションを専門としている立場から見ると、これらのロボットは複数、50台あるいは100台以上を稼働させた環境下で本当に問題なく動くのだろうか、という不安要素が頭をかすめます。
会場では、ほんの数台のロボットがマテハンと連携することなく、単独で動いているのです。恐らくどこのメーカーもこれらのロボットが数十台以上の状況下で目標通りに動くことを約束できないでしょう。


CeMAT ASIA 会場の様子 1

重要なこととして、ユーザーが物流現場で目標とする生産性を達成し、かつロボットを使い続けていくためには、ロボット(ロボットを制御するソフトウェア含め)の完成度に加え、導入する国に合わせたローカライズ、それぞれの現場に合わせたインプリメンテーションや他設備とのインテグレーション、さらには稼働後のアフターサポートの体制が整っていることが必要不可欠となります。言い換えると、ロボットは、物流ソリューションの一部を構成するものに過ぎないことに気付くことが大切になります。
GROUNDのように物流イノベーションを推進する立場では、ロボットメーカーの精度や開発力を適切に見極めることはもちろん、このように導入や保守も含めたトータルソリューション力が必須となるのです。

ここで話は変わりますが、出展企業に目を向けてみると、ひときわ賑わっていたのはJD.comのブースでした。同社は自社で構築した物流インフラ(ロボットを含めた物流機器とオペレーション)を他のEC事業者に外販するビジネスモデル(X事業部という)のため、集客と自社の競争優位性を広くPRするために出展したそうです。
詳しく話を聞いてみると、X事業部だけで現在600人の社員を有しており、その多くがソリューションデザインを担当しているそうです。展示ブースには、私が楽天株式会社で物流責任者であった頃に導入を試みたADS製のシンデレラに似た自動倉庫から6 Riverをモデルにしたと思われるAutonomous Mobile Robot(協働型ロボット)、ダンボールをデパレタイズする(パレットに荷を積み付け、まとめる)ためのピッキングロボット、さらにはドローンをプロモーションする動画など、物流ソリューションのフルラインナップという感じでした。
特に目立っていたのは、プロモーションビデオです。商品が物流センターに入荷されるところからスタートし、ピッキング、梱包そして配送までの全工程がロボットとドローンで運用される様子をさながらリアルに見せ、一見すると全ての商品が無人で運営されていのかと思うほどの見応えなのです。実際の現場では大型商品もあれば、設備からはオーバーフローする商品などもあるため、無人で全てのオペレーションをしている訳ではありませんが、プロモーションの訴求力が秀でている企業だと感じました。


CeMAT ASIA 会場の様子 2

2日間、合計で数時間の視察でしたが、本当にさまざまな気付きがありました。
展示されているソリューションの大半は基本的に米国製のものをモデルとしており、中国企業が独自に開発したものはなく、実戦レベルでどれ程使えるものなのか未知数であることが一番の懸念点です。

これを踏まえて、有望なソリューションや企業をもし見抜く方法があるとすれば、Eコマースを中心とした流通業界において、実際のユーザーとどれだけ具体的な取り組みをしているかに注目することではないでしょうか。ですが、同時に先行者利益がこれらのユーザーに取られてしまっていることを鑑みると、結局はGROUNDが中国の大手ロボット企業HIT ROBOT GROUP 社と協業しているように、総合的に技術力のある企業を探し出し、共同実証を繰り返しながら即戦力となれる製品を一緒に作り上げることがベストだと感じています。

宮田 啓友

■ GROUND株式会社について
GROUNDは、“Intelligent Logistics”の実現を目指して、物流領域における世界の最先端テクノロジー(LogiTech)に基づく革新的ソリューションの提供を行う企業です。代表の宮田を始めとするGROUNDメンバーは、ロジスティクス、サプライチェーンだけでなく、データサイエンスやマーケティングにおいても豊富な経験を持ち、国内外の最新のテクノロジーに関して幅広い知識やネットワークを有しています。これらを背景に、日々高度化・複雑化する物流オペレーションに対して、需要と供給のバランスを考慮する最適なハードウェア及びソフトウェアで構成されたソリューションを提供しています。

■ 本件に関するお問い合わせ
GROUND株式会社
広報窓口:pr@groundinc.co.jp
URL:http://groundinc.co.jp
Facebook:https://www.facebook.com/ground.intelligent.logistics/